hotpantsさんの新着コメント

hotpants

語彙力表現力構成力読解力批評力向上のために述べる。
全ては娯楽のために。

新着コメント

80Phantom -PHANTOM OF INFERNO-(非18禁) (NitroPlus)
主たる企図はアンガージュマン思想にも似た唯意志論の表現であったのか、受動ではなく意志を介在させた能動にこそ価値があり、誤解を恐れずに言えば「意志こそがこの世の原動力」という趣旨の主張が窺える。つまり虚淵を虚淵たらしめるのは実存主義と認識して良かろうか。何らかに束縛されてしまっているけれど、そんな状況でも世界は開かれていると信じたい、みたいな印象を氏の作品から受けてきたが、思い返せばいつも巻き込まれては、虚構にあっても現実の普遍的な問題意識に焦点をおいて、考察し答えを見出す。何にしても思考することによる意志形成は、その結果が世界をかえることであれ、受容することであれ、大であれ小であれ、能動的な態度への足掛かりと成り得る。ここから得るべき教訓は思考することから逃げるなということ。でないとただの人形に成り下がってしまう。Phantomはいわば盲目的な信仰を撃ち砕く銃なのだ。意志の弾丸は心を貫く。
93世界ノ全テノ全テ (霊岳ソフト)
曇天を分かつ曙光、覚め遣らぬ記憶の残滓、時は移ろうとも過ぎし日は美しく心に在り続ける――追憶する。叙情的情景描写と良質の劇伴で物語世界は独自の雰囲気に包み込まれ、いくらかでもリアリティを帯びた造型で克明に描かれる、「他者」の「まなざし」に晒されることで起こりうる苦悩や葛藤。この物語は、未熟で不器用な少年少女の春を辿る物語、人間存在の学である。或るパースペクティブで以て存在の様式を捉えたうえで「連鎖」の内の人間の実存を見事に描いている。理解し難い登場人物の諸行動も彼等自身の観点に立ってみればその大部分が了解可能となろう。フロムの措定する愛を下地に多方面の知識を織り交ぜてきているため、詳細な読解には困難を極めることが危惧されるのと、幾度のリファインを経てもなお有る誤字脱字、整合性の欠如が難点か。まあ、私も理解できていないのだけれど、駄目なりに考察。 → 長文感想(25953)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 15h
79君と彼女と彼女の恋。 (NitroPlus)
ネタバレ厳禁ではあるものの、では何を以て買うべきかを判断するに、それは本作が特異であることに興味を示す他無い。諸兄方には本作に関する情報を成る可く避けるよう勧めておく。 → 長文感想(546)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 8h
80なつくもゆるる (すみっこソフト)
いつもの渡辺ファッキン僚一氏(野放し)としかいいようがない。長文感想は本作は勿論、同ブランド前作「はるまで、くるる。」の重大なネタバレを含む考察のため閲覧する際は注意されたい。 → 長文感想(9215)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 14h
70レミニセンス (てぃ~ぐる)
私が認識しなくてはならないのは、本作に於けるヒロイン構成が我々の性的願望に近いこと――社会的に認められない、手を伸ばそうとしても届かない現実――は作者の表出にすぎないということである。それは民衆に支持されたアイドルであったり、社会的立場の高い令嬢であったり、倫理を無視する妹であったり、人道に反するセクサロイドであったり、幼い少女であったり、ときに同性愛であったりもするであろう。物語世界の日常が地下であることに対して、地上がある象徴であったように。「人の運命は出会いで決まる事が多い。成功するか、失敗するかは、その出会いをどれだけ大事に出来るかであろう。(島村俊治氏)」繋がりが運命に影響すると云う届かない現実に届こうとするアプローチを、本作では描いているように思える。ただ、そのようなテーマを物語内容に望む方がいたとしても、伏線を放置し今作中で完結できなかった本作はとても薦められる代物ではない。
総プレイ時間 : 21h
89ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1- (インレ)
忠臣蔵を換骨奪胎した大作。 ロラン・バルトがテクストは読み手のものであると作者に死を宣告したように、読み手には解釈の可能性が開かれている。それは歴史のナラティブにおいても同様で、可能性はときに何よりも美しいものを生み出しうるものなのである。長文感想は重大なネタバレを含む考察のため閲覧注意。 → 長文感想(13408)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 31h
85グリザイアの楽園 -LE EDEN DE LA GRISAIA- (FrontWing)
ある男の存在により自己が抱える存在の是非を肯定に捉えた彼女たちは、世界樹の種から巨木へと成長を遂げてゆく。ある男のいる日常こそが楽園のイデアであると信じてやまない彼女たちは、未だ種であり続け迷宮を彷徨うその男のために、実らせた果実を危険に晒すことをも厭わない。その行く末に、楽園があると信じて。 → 長文感想(4099)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 12h
78マクスウェルの悪魔 (WoS(同人))
物理学者ジェームズ・クラーク・マクスウェルが提唱した思考実験「マクスウェルの悪魔」。この難問をタイトルにするシナリオとはどのようなものであろうか。ここでそれを教えることは、楽しみを損なうことに他ならない。本作の魅力は「不可解さ」にあるからである。散逸された物語の断片は、読者による編纂を必要とするため、大まかな世界観の把握はできるものの物語の意味するところは考察しなければ分からない。そのために熱力学第二法則をある程度理解する必要がある等、なんともハードルが高かったりと読者を選ぶ姿勢が垣間見えるため、テキストで完結しないことを嫌うプレイヤーには薦め難いが、全容の曖昧さを許容できるのならば、説明が省かれた物語を物語足るものにする遊びが非常に面白い。スタンス、内容ともに同人らしい、私の望んだ作者のオナニーであった。長文感想は重大なネタバレを含む考察のため閲覧注意。 → 長文感想(6611)(ネタバレ注意)
総プレイ時間 : 7h / 面白くなってきた時間 : 2h
77百花繚乱エリクシル (AXL)
地方領主を監督する権限を持つ《巡察使》の堅物主人公は、大貴族の不正を摘発したことにより恨みを買われ辺境の村に飛ばされてしまう。その村は牧歌的で暢気で、過ぎたるが故に村民は経済観念に疎く、納税なんてとても期待できない。現状維持では未来は無いと憂いた主人公は皆の協力のもと村おこしを敢行する――といった物語。西洋ファンタジーの世界観を持つ本舞台は国は違えど「Princess Frontier」と酷似している。同作は日常を主とした田舎情緒が魅力であったがシナリオが無かった。しかし今作は村おこしという、結果が求められる物語的側面を得ながら、村の難点と美点を浮き彫りにすることで舞台特色を意識させることに成功している。この「踏襲と進歩」が見られたのは時代の変遷に強いられたものか、はたまたライターが違うだけなのか知らないが、いつまで経っても変わらないように思えたAXLは地味ーに良くなっていたのであった。 → 長文感想(2512)
総プレイ時間 : 11h
79運命予報をお知らせします (ヨナキウグイス)
恋愛の形而上学 → 長文感想(2548)
総プレイ時間 : 9h / 面白くなってきた時間 : 1h
70ツツジと夏の坂道(非18禁) (半端マニアソフト(同人))
高校生活最後の夏に、友が敗れ去ったあの坂をノーブレーキで下りきる、ただそれだけの話。システム設定、立ち絵、一枚絵が無く、同サークル作品に比べ粗雑な設計であるものの、それを全く気にさせない勢いのあるテキストに魅了された。始めから終りまでのわずか二十分の間に生まれる感情量はやはり多く、渡辺ファッキン僚一氏のらしさが強く出ている。氏が筆を執る際に何の制約も設けないことでこのクセの強さが出せるように、ライター勢には我を思い切り出せる環境こそが大事であると本作を通して再確認。動機すら馬鹿げている坂を下る行為に全力で取り組むその光景は、笑いを引き出すだけでなく現状のままならなさからの解放感を得られる。あの坂は時が経っても誰に対しても挑戦する意欲を駆り立て、そして、それぞれが大切にしている思いをより強固にしてくれるであろう。
70強盗、娼婦のヒモになる (Loser/s(同人))
薀蓄の垂れ流しであり、それを後の昇華まで「過程」として捉えることが必要。 単発的だと思えばイライラするが、マクロ的視野を持ちつつテクストの裏側を覗けば良作になれる素養を持った作品であった。 → 長文感想(964)
72Princess Frontier (AXL)
故意ではなく ―― It's not assumed future, it's the princess's titts. 騎士としての未来を掴もうとしたらやんごとなきお方のおっぱいを掴んでしまい、当然の成り行きで左遷された主人公は辺境の村の国境警備隊隊長の任に就く。主な舞台はその片田舎の村。早朝に笛の音が響いては起床し、村を見回り、人と触れ合う。牧歌的な村の情景は暖かな雰囲気に包まれていてなんとも心地良い。そこに舞い込むトラブルを個性溢れる仲間とともに解決していく様は非常にコミカルで印象的となっている。君主制国家や騎士、ドラゴンなどなど分かりやすい西洋ファンタジーの世界観で紡がれるAXLのカタチ。よいではないか、よいではないか、シナリオ以外は。 → 長文感想(2713)
総プレイ時間 : 12h / 面白くなってきた時間 : 2h
88WHITE ALBUM2 ~closing chapter~ (Leaf)
非現実的である三角関係を成立から後の経過まで写実的に描こうとする意欲は伝わってくるが、如何せん春希がどのような思いを抱えようとも浮気男である事実は消えず、なのに周りが彼の本質は善であると過剰に擁護するものだから「浮き」が生じている。写実的に描いた脚本の背景と登場人物達が一物語の中で乖離してしまっているのである。その傾向がより顕著に出ている雪菜は春希を神聖視しているかのよう。恋は盲目を体現する、ある意味現実的ではあるが、精神の逃避とも言えるだろう。春希は春希でかずさの事を思い続けていてそれは思い出の美化に他ならない。本作は全体的に登場人物が思いを寄せる対象を美化しすぎている為、良い要素が結集している中この「浮き」がやたら目立ち恋愛が陳腐に見えてしまう難点を抱えている。その所為で皆の中で丸戸氏の成果が無駄にならないことを祈るばかりである。しかし、他の追随を許さない圧倒的な構成は大変評価できる。
総プレイ時間 : 60h
80セブンスコート(非18禁) (Novect(Novectacle)(同人))
本作は、同サークル前作「ファタモルガーナの館」の登場人物を別の舞台、異なる相貌で描いた物語である。現実上にあるBBSと作中の世界を重ね合わせ、双方エイプリルフールを起点とし物語は胎動する。メタ視点で進行するファンタジーRPG風の異世界冒険譚はADV形式でよりらしく、作中人物のバックストーリーを活写する回想録はノベル形式にすることで心理描写をより深くと、両形式の特質を生かした演出を交互に配置することで展開に緩急をつける構成となっていて読み味が堪らなく良い。前作で猛威を振るった自己の内面と向き合う描写や伏線回収は短篇ながらもしっかりと受け継がれている為、読者に与える衝撃は大きいだろう。物語から感じられる作者の主義主張である創作観念は、一義的な解釈を否定しているように感じられたが、それに対して救済の手を差し伸べるのもまた、この作品であった。単体として見ても十分に傑作といえるのではないだろうか。
総プレイ時間 : 2h
76らぶでれーしょん! (SMEE)
林立する学園萌えゲーの一角と思いきや、蓋を開ければなんという接待ゲー。キャバクラかここは。店(メーカー)により完璧な接客指導を受けたヒロインという体のキャバ嬢はお客(主人 公=プレイヤー)をヨイショヨイショしまくってウハウハの俺俺。男性陣ことホールスタッフはギャグで客引きをし、またキャバ嬢とお客の仲を全力で嫉妬する姿を演じ魅せてお客に優越感を与えるサブポジションに位置を定めている。しっかりと行き届いた店側の管理は貴方を昇天させるだけである。サービス内容はイチャラブただ一つ。お持ち帰りすればセックスもOK♪店から足を洗うまで個別、ハーレムなんでもありの超絶イチャラブを体験せよ。女に会うてはイチャイチャし男に会うてはギャグを見るSMEEの理ここにあり。 → 長文感想(3033)
総プレイ時間 : 11h
75こうかん☆にっきdivide (The Dungeon In Yarn(同人))
こうかん☆にっきtimesの続編であり最終章でもある本作は、コミカル調のテキスト、絵の質、システム周りなど向上が見られ、シリーズの最後を飾る集大成として文句なしの出来栄え。基本エッチしているだけなのにヒロインと結ばれた最後には何故だろうか、謎の感動がある。笑って泣ける…かどうかは人次第だが、ロリコンの記憶に刻まれるであろう作品であった。長文感想は本作がもたらす恒久世界平和について。 → 長文感想(1668)
総プレイ時間 : 1h
70フリックドロップ(非18禁) (.17(同人))
綿密に構築された世界。現在の遥か先をゆく科学技術と未知のエネルギィが創りだすヒューマノイド。 人と同様の容姿と心をもったそれは果たして人足り得るのだろうか、存在定義が問われる。 本作は、ロボットと人間の在るべき関係と存在意義を概念実証し、一つの答えを提示する。 これはもしかしたらとんでもない作品なのやもしれない。 けれども、ゲームとしての面白さを評価するならばどうかと思うのであった。 というのも、クリティカルな問題としてつまらないのである。 凄さが面白さに直結しないということを身をもって体験できる勿体無い作品といえよう。 → 長文感想(2188)
総プレイ時間 : 12h
75こうかん☆にっき (The Dungeon In Yarn(同人))
人類皆ロリコンである。ロリコンであることに感謝し、ロリコンを謳歌しよう。 → 長文感想(2072)
総プレイ時間 : 1h
79悪の教科書 Textbook Of Evil(非18禁) (さんだーぼると(同人))
現代日本に於ける政治体制について全く知らず、いや、知ろうともせず、日々惰眠を貪る駄目人間な私がこともあろうに日本の未来を憂いてしまった。日本の将来の在り方など知ったことかと現実から己を隔絶して駄目駄目な生活を続けていたかったのに本作がぶち壊しやがったのである。いつまでも目を逸らし続けていたかったのに何だこの強烈なメッセージ性は。ここまで直接的に言及してしまうとはやりすぎではないか。現代社会が抱える闇と悪しき風潮は潜在的どころか表にまで届き、それこそ全国民が知っているといっても過言では無いがしかし一向に変わることはない。誰かが変えなくてはいけないが誰も変えることはできない。そんな苦しい状況に一石を投じる意識改革の尖兵が現れた。なんて恐ろしいのだ逃げねば。しかしプレイしないという手はエロゲーじゃないけれどもエロゲーマーとして何だか負けな気がする。駄目人間である矜持を守るには立ち向かうしかない! → 長文感想(1655)
総プレイ時間 : 6h
73クリアレイン(非18禁) ((同人))
日常的側面に超自然的な概念を加えて人間の葛藤を描いた六話構成の幽霊的モラトリアムノベル。全年齢対象 黒トールケース、プリントCD。こう言うのも何だが物語に於いて葛藤とは克己されるためにある。本作は各話各人の克己に至る過程を写実的<現実的思考>、また非写実的<童話、霊、呪いといった空想>と二項対立的表現を用いて描いており、それらが上手く噛みあっているように見える。が、見えるだけであった。帰結に肩透かしをくらうと全体が薄れてしまい結果何を読み手に伝えたかったのか分からなくなってしまった惜しい作品である。主人公が内向的思考タイプのため独自理論の展開が多いきらいがあるが、刺激的なヒロイン達が雰囲気を中和し心地良いコミュニティが形成されている点は一読の価値有り。システム面では前作同様台詞が吹き出し形式となっていてこれが中々に読みやすい。スロット11番以降にセーブできないのは勘弁していただきたかった。
総プレイ時間 : 7h / 面白くなってきた時間 : 1h
91闇を奔る刃の煌き(非18禁) (影法師(同人))
紙芝居再び。躍進を遂げていく快男児<片倉重蔵>に読み手である我々はただ惹かれる。浪漫を駆り立てられる。彼と彼の運命の相手には強固な信愛が見られ、お互いを高め合うその関係はある種理想を体現しているように思える。明治維新という時代の変革期に生きる町の人々の営みは、栄枯盛衰の理が描かれ地に根付いている。舞台と役者、そして演じ手は貴方という観客を待っているのである。冒頭の掴みは強烈であり、触れてしまったら後はもう流れ落ちるだけ。そして劇中、貴方は問いかけられ、一つの選択を迫られる。どう選択するかはいつだって個人に委ねられている。貴方が選ぶ答え、その運命。貴方が選んだ道に、貴方が捉えた本作の様相が描かれる。――せいぜい、振り回されるがいい。 → 長文感想(2205)
総プレイ時間 : 8h
72LOVESICK PUPPIES -僕らは恋するために生まれてきた- (COSMIC CUTE)
企画、シナリオ担当の安堂こたつ氏には大きく期待を寄せていた。W.L.O.では「あまりに情けない一般ピープル」が周りからの応援で自身の葛藤を乗り越えて「主人公」と為る成長物語を魅せ、それは今までの凡庸な学園物と比べ新しい試みといえたからだ。しかし、本作では主人公が最初から性格容姿ともに完璧であり、その主人公に感化、 または応援を受けてヒロインが成長並びに問題解決といったW.L.O.と逆の構成になっているため、これはまさしく凡庸そのものである。私の求めているものと違うであろうことは体験版時点で把握できていたのだが、それでも私はW.L.O.を好んでおり、それに携わった同ライターの手腕に賭けて購入に踏み切った。そう、賭けていたのだ…… → 長文感想(2360)
総プレイ時間 : 20h / 面白くなってきた時間 : 2h
84DAGGER 有色の戦人(非18禁) (The sense of sight(同人))
ノベルゲームに於けるファンタジーの物珍しさは確かにある。テキストでの表現は難く、映像こそが魅力―壮大な世界風景、特に剣、魔法戦闘を前面に引き出すのに向いている、映えるからだ。しかし本シリーズは物語の根幹にファンタジーならではの世界観を据えず登場人物の心理描写を主旨としているように見受けられ、文章の特質を生かすことに成功している。それにより異世界における非日常性にたいして親近感にも似たクオリアを現出させ、文章を好む読者諸氏に親しみやすくなっている。その土台があるためか世界観を楽しむことへの妨げが無くファンタジーを存分に味わえた。以上から心理描写、世界観、ついでにテキストの読みやすさは良評価となったが、動的演出の貧弱さが目立っていたので是非とも改善して欲しいものである。本章ではアイシスにかわりセレノアに焦点が置かれているが、前章から繋がる一つの物語となっているのでアイシススキーも安心してどうぞ
80さくっとパンダ ~鬼蛇~ (禁飼育(同人))
連作第四部、無料ダウンロード配布。本シリーズが現在公開を停止している経緯について全く把握していないので兎や角言えないがこれは惜しむべきことである。もし機会があるのならば是非とも読んでいただきたい一作だと読了後に強く思った。読者の感情に働きかける度が過ぎた描写に鬱々とさせられること必至なわけだがこれがあまりに鬱“すぎる”ものだから反対に誉めそやしてしまう逆転現象が起こる。鬱に身を委ねるのも快いと思ってしまったのだ。これは一本とられた。全四部作ということで本作で完結したのだが、これまで激しさを増していった鬱展開の帰結がまさか新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のように爽やかな気分にさせてくれるとは夢にも思わなんだ。テキストは所々拙さが散見されるがやけにハイテンポなので読了まであっという間という点も良い。減点評価では苦しい面もあるが、それでも読む価値は確かにあった、隠れた名作といえよう。
総プレイ時間 : 7h
80流れ落ちる調べに乗せて(非18禁) (影法師(同人))
同じ時間軸で四人の主体者はそれぞれの終局を迎え、そして超克し得た彼等の物語は交わり、やがては真実の終局を彩る。紙芝居の中の彼等はどこまでも粋だった。そう、これは「紙芝居」だ。揶揄しているわけでなく。絵が文が音が踊り、それは演じ手がどう舞台を繰るかで面白みが変わってくる。私が思うに紙芝居を紙芝居然とさせるのは劇場と観客の距離の近さだろう。数多の電子遊戯はそれ自体が劇場となっているため聞き手は壁を意識し傍観者と化している。選択肢の有無は所詮語り手の誘導の有無であり観覧とは程遠い。それに比べこの作品にはいたく驚かされた。「劇上の劇場」がそれを可能としてしまった。窓の中にもう一つ窓を作り、それを大きく動かす。するとそれに没頭している私達は舞台の乱れに臨場感を覚えてしまうわけだ。物語は心情を解く静、異能戦闘を扱う動の活劇と芝居と銘打つに十分だろう。素晴らしい紙芝居だった。演じ手に、感謝と拍手を―― → 長文感想(1278)
総プレイ時間 : 20h / 面白くなってきた時間 : 5h
99MYTH (Circletempo(同人))
人間の本質を視覚的に捉えられるよう創意工夫を凝らした大作。テクストは元の役割に加え同義性を兼ね備え、本筋に顕れる「含意された作者」によって巧みに「含意された読者」へと導かれる。その過程には複数の事象の追求が有り、多層構造のそれは容赦なくプレイヤーを突き放す。評価の分かれ目となるのは前述と異なる真意の読者像、つまり、考察する読者になりきれるかどうかである。傍から見て難解と分かる設定に多数のプレイヤーが諦念に駆られるのは想像に難くない。究明放棄の一因として憂慮するのは、周回という定義に囚われていないかということだ。 全てのテキストを読み終える事を作品の終りと捉えてしまえば、読み返す行為に既知の苦痛が生じるのを虞、読解まで至らない。本作に限らず重要なのは本質理解であって、全容解明が作品の終りということを忘れてはならない。少しでも同意できたなら識るか否かを決める契機を探し出すのも悪くない選択だ。 → 長文感想(46772)(2)
64つん★デれ! ぷにゅぷりEX (TinkleBell(同人))
ワンピース箱(230x162x30)、CDケース、プレスCD。何でもできる、けれどどこか満たされない日常を送る端然としたお嬢様織絵は、初めて 『秘密』に触れた。それは担任教師春菜のあるはずのない男根…普段は不器用で、でも笑顔が愛らしい教師に心魅かれた織絵は今まで感じたことのない衝撃を受ける。お互いに好意を寄せていく二人は日を追うごとに性愛に没頭していく。購入要素をほぼ全て占めるHループアニメーションですが、パターンはそれなりにありまして高品質という印象を受けました。ぷるんぷるん弾ける肉肌は性欲を掻き立てるには十分。蜜壷、腰の痙攣があるといえば興味が出る人もいるのではないでしょうか。 ストーリー進行は凡ですが日常のADV形式ではサブ含むキャラクターがよく動いて、 下ネタで笑わせてくれたりと楽しませる演出も欠いてはおりません。堂本かれん=金松由花氏やHアニメが好きな方は特攻準備ィ!よし行けッ
総プレイ時間 : 1h
60かよちゃんは頭が悪い(BROWSER)(非18禁) (マテンロウ計画(同人))
3つだけは覚えられる。『3つ』だけのおつかいだ。だが記憶を全て失くすより始末が悪い。自分は何をやっても『無駄』だということを……くり返しくり返し体験しそれは身にしみて理解できるわけだからな………
77Real intention ~ココロのクサリ~ (相討ちネガティブギャング(同人))
加虐の祈り、つまりサディズムは上昇しようとする欲求であり、苦痛への祈り、つまりマゾヒズムは下降する悦びである。要するに精神性を高めるにはサディストであることが重要といえる。みんなもこっちきてスパンキンスパンキンしようぜー!! → 長文感想(1335)
79Indigo(非18禁) (半端マニアソフト(同人))
『最初の青、最後の青』この中に1人、殺人鬼がいる!…あっ、1人どころじゃねーや!! → 長文感想(1950)
71さくっとパンダ ~妄想交響曲~ (禁飼育(同人))
真相解明に向けての足掛かりは思わぬ方向へ…。第三部。無料ダウンロード配布、現在公開停止。経験による下地ができていて心構えバッチリ。落差が大きくとも慣れると感度は下がります。そのような状態でも期待を上回る様式を表現できていました。少しやり過ぎ感があるやも知れないため作品から突き放されないか心配ですが、ここまでプレイしてきたならば退転は心持ちが悪いですし最後まで突っ走りましょう。
92ファタモルガーナの館(非18禁) (Novect(Novectacle)(同人))
制作期間約四年という長い時を経てNovectacleがお送りする悲劇と絶望の西洋浪漫サスペンスホラー。まるで叙情悲劇のようでした。綴られる一幕一幕に叙情的な旋律を感じ、舞台変わりする様と根底に流れる背景に「あなた」は翻弄される。商業作品の域に並ぶどころか大半をスキップで越えていってしまった問題作(誤用)、どうぞお楽しみください。 → 長文感想(2774)
68アイドル彼女 ~ふたりだけの秘密レッスン~ (とらいあんぐる!(同人))
アイドルとはかくあるべきかとかまったく関係なく可愛い系アイドル音娘ちゃんとずっといちゃいちゃしてればいいんじゃないゲー。黒トールケースプレスCD。メイドさんになってくれたりおにいちゃんって呼んでくれたりで甘甘な時間を過ごすも見てるこちらはあてられっぱなしで正面から画面を捉えられずはてどうしたものかと悩んでいた時、主人公裏葉の喘ぎ声「ふあああ!イくううううぅぅぅ!!」 これに若干の苛立ちを感じると同時に音娘のセックスセンスは素晴らしいと思ったところで睾丸リキッドがバイタルグロウブに乗って内的世界における外宇宙へ飛び出しました。瞬間、私は自身を主人公に投射することに成功し、流れるままにリバイバルしてバロンズゥ。マネージャーの行く末は妄想シチュとしてありがちですが美味しいと思います。二次元と三次元の女性観に区別がつきかつ甘党な方にオススメ。こんなアイドルいるはずないと思ったら負け。
77さくっとパンダ ~妄想断末魔~ (禁飼育(同人))
一握りの希望には不条理の連鎖が絡み、しかし雁字搦めの中に一筋の糸が降りる。私はそれを掴んだ。これは決して蜘蛛の糸ではない。のぼるのではなく降りるのだ。見下ろす景色は心の淵で、するすると堕ちていく間は鼠の目を潰すのに没頭する。懐かしき日常を振り返り上を覗き見るがどうやらもう見えないらしい。気が付けばここは…。 → 長文感想(461)
74さくっとパンダ ~苦痛~ (禁飼育(同人))
連作「さくっとパンダ」第一部。イジメ、ダメ、ゼッタイ! → 長文感想(629)
74純情セックスフレンド (夜のひつじ(同人))
あなたの心を奪う逆レイプ浮気ADV。クリアトールケース、プリントCD。抜きゲと見せかけて転遷する『心』の情景を楽しむ本作品は心理描写が秀逸。主柱を失い心に影を落とす壮太に目をつけた援交ビッチ透が継ぎ接ぎの心に切れ目を入れる。壮太の彼女未弥の上辺だけ明るさを取り繕うも行動の端々にあらわれる心の機微にご注目ください。エロの観点では塗りが光るCGに興奮を誘うテキスト、素晴らしい…。賢者お断りの看板を掲げておきましょう。純情とは一体何を指しているのかプレイしてご確認あれ。
59非常口さんと恋する女の子(非18禁) (Tears Lab.(同人))
無料ダウンロード配布。生きている非常口のピクトグラム“非常口さん”に恋する乙女の心情歌。物柔らかな紳士に忍び寄る女性ピクトグラムに心揺らぐヒロインの行く末が気になります。クセの無いテキストが読みやすく十分程度の短編なので気軽にプレイできて良かったです。着眼点が面白い。
75国都の剣 道中編(非18禁) (サカナ・ノベル(同人))
周遊の旅路、いざ国都へ。 自宅で旅行気分を満喫してみませんか? → 長文感想(1176)
74未来探偵ソラとピヨちゃん 注文のできない料理店(非18禁) (フワフワソ(同人))
連作「未来探偵ソラとピヨちゃん」第八話。 今回の依頼は神出鬼没のうどん屋の捜索です。 ピヨちゃんは楽勝とナメてかかるも…(笑) → 長文感想(484)
68未来探偵ソラとピヨちゃん -イリーガルジュブナイル-(非18禁) (フワフワソ(同人))
第七話。スリムCDケースにプリントCD。無料ダウンロード配布。絵描きが変わって可愛らしさアップ、ピヨちゃんの憎たらしさダウンといったところ。前回までの無機的なソラには非常に感情移入しやすかったのですがこちらは…まあ可愛いからOK!ピヨちゃんが事件解決を図るためにとった非道な手口に対して、ソラがどういった行為に及ぶのか注目です。
73未来探偵ソラとピヨちゃん エピソード・ホーンテッド(非18禁) (フワフワソ(同人))
第四話から第六話まで。クリアトールケースにプリントCD。ピヨちゃん口悪っ!!相手を馬鹿にして大笑いしたりボコボコにされながらボコボコにしたりもうピヨちゃん可愛すぎます!推理要素は若干弱いですが世界観やキャラの魅力がよく出来ていて心地良くプレイさせていただきました。本当にピヨちゃんが酷すぎる(笑)。ソラに探偵らしさが芽生えてきたのでこれからが楽しみです。
70未来探偵ソラとピヨちゃん episode01+02(非18禁) (フワフワソ(同人))
舞台は20XX年。ケータイ電話のAI、ヤエガキ・スペイシー・ピヨちゃんが田舎から上京してきた少女に探偵のバイトを持ちかけて― クリアトールケースにプリントCD。二話構成。デフォルメを基調としたベクターデザインと未来の世界観が上手く噛み合って物語の面白みに加味されています。探偵と聞くに推理ゲームなのかなと思いプレイしましたがそんなことは無く。虚言癖+犯罪行為が常套手段という、見た目はキュートなのに中身は最低というギャップを持ったピヨちゃん素敵ゲーでした。※パッチ適用後追加の三話目プレイ。ミステリ調が少しでてきましたが相変わらずのピヨちゃんに視線を奪われてそれどころでは無い(笑)
68私は女優になりたいの(非18禁) (Chloro(同人))
全六話構成。「カオス」をテーマにやりたい放題な本作品。黒トールケースにプリントCD。アバンタイトルから次回予告までのアニメなパート分けにこだわりを感じ、変顔差分、変身シーンや漫画を意識した多量のカットイン、実写映像をも扱ったOPとEDの豊富さ等、演出が凝っていて良かったです。多種多様なイラストはカオスな展開を加速させる印象。シナリオは話数が進むごとに支離滅裂になっていくも分けのわからなさを楽しむのが本作の醍醐味です。女優にならなければいけない理由やまさかの伏線だった設定を強行着陸だと思いつつも”結”で 畳めることが出来たのはお見事!
62ここのえこころ(非18禁) (nostalgia(同人))
―本当に誰かを好きになるということはどういうことなのか―心の内を見つめる人外攻略型恋愛ADV。怖いもの見たさでプレイするも後に残るは悔いと心的外傷。後悔先に立たずとはよく言ったもので……ハァ(溜息) → 長文感想(1368)
79同人ing ~赤き誓い編~(非18禁) (星団ファミリー(同人))
最終章。同人ゲームが同人ゲームを製作するというメタ的な題材ですが、ただ工程を描くだけでなく確かな人間ドラマを最後まで魅せきった同人賛歌のような作品でした。長文感想はネタバレ無しでシリーズの魅力と本章の感想。 → 長文感想(2320)
77Wish ~a sacred night's dream~ (非18禁) (MIGIHA(同人))
ファンディスクならではの小噺に収まらず個別アフター&バックストーリーと"聖夜祭"の2つの流れで進行。沙弥スキーには美味しすぎるシチュエーションがあり非常に満足しました。彼岸サイドのお人らは偏った魅力があるなあと思いつつそのクセがお気に入り。ドリーマーズモードという戦闘SLGマップ攻略のオンオフが任意となっておりますが、苦手な方以外は使用することを強く推奨します。敵ユニットにぶつけるキャラを変えたり 【アイテム】を上手く使えばイベントが見られるのですがこれがまた面白い。これは良いファンディスク。
80催眠実験 (#define(同人))
「拙僧、まだまだ修行が足りぬ…南無。」スリムトールケースにプレスCD。本作品はなんといっても『過程』が素晴らしい。主人公は坊さんで真面目な性格をしているため、催眠を性欲発散のために使うわけでなく特殊ではあるけれど恋愛のアプローチとして用いています。実際にできてしまいそうな催眠法でググッ~と、ヒロインついでにプレイヤーも引き込まれる!催眠モノですととりあえず体験版で抜いて買わずに終了の流れになる私ですが、同じようなプロセスを踏んでいる方にこそ是非手にとって違いを感じ取ってもらいたい。催眠に偏見を持っている方にオススメ。
78僕らは灰色から始めた(非18禁) (山海豚厨房(同人))
伝説のニート、帰郷。彼はどうしてそうなって、彼女に何があったのか。あの頃のアイツは今ではこうなってて、…ああ、みんな変わっていくんだ―― → 長文感想(664)
68Campus Notes vol.1 Re:Birth(非18禁) (4th cluster(同人))
原画は学生でありプロ漫画家!? 筑波大学非公式同人サークルが世におくる筑波大学アドベンチャー。 → 長文感想(794)